CREチームでKA法とKJ法を試してみた

この記事は ウィルゲート Advent Calendar 2022 - Adventar の23日目の記事です。 昨日は高萩さんのデザイン思考についてまとめてみたという記事でした。

こんにちは、ウィルゲート開発室CREチームの武田です。

はじめに

以前CREチームにてとあるプロダクトの信頼性向上のためのアンケートを実施したことがありました。その後のアンケートを分析する際の手法として、KA法とKJ法という方法を用いたときのことを話していきます。

今回話すこと

  • KA法とKJ法とは何か
  • KA法とKJ法をやってみて良かったこと悪かったこと
    ※ 分析の結果行った施策については、今回は取り上げません。

分析手法の紹介

KA法とは

KA法とは、ユーザー調査やアンケートの定性情報から、人々が求めている本質的ニーズや体験価値を導き出す分析手法のことです。
利点として、人々の日常行為とその背景にある価値の構造を視覚化することができるため、体験価値の全体像を把握しやすいという点が挙げられます。

KJ法とは

ブレスト等で出した情報を同じ系統の情報同士でグループ化するなどして、データを整理する手法のことです。
利点として、各グループや情報の関係性を踏まえながら論理的に結論を導き出すことができ、少数意見も活用することができるという点が挙げられます。

KA法とKJ法を組み合わせる

ここまでの説明の通り、KA法は情報分析、KJ法は情報整理と名前こそ似ているものの、それぞれは全く別の手法です。
今回はKA法を用いて体験価値を導き出し、その後KJ法を用いて情報の整理を行っていきました。

KA法の進め方

1. ユーザーの声をピックアップする

アンケートの回答から特徴的なユーザーの声を一つピックアップします。さらに一つの回答に複数のユーザーの声が含まれている場合があるので、そういったものは切片として分割します。

2. 心の声を想像する

ピックアップしたユーザーの声からどんな思いを抱えているのかを想像します。

3. 求めている体験価値を記述する

ピックアップしたユーザーの声と心の声を手がかりに、どんな価値観を求めているのかを書いていきます。

KJ法の進め方

1. 価値観をグループ化していく

先のKA法で出た価値観を付箋等に書き出して、関係性や関連性が深い付箋同士をグループ化していきます。新しく出来たグループには分かりやすくするためにグループ名をつけていきます。
なお、注意点が二つあります。

  • 無理にグループ化しないようにしましょう。中にはどのグループにも属さない価値観が存在する場合もあります。
  • グループの数は多くても10個程度にしましょう。多くなってしまった場合はグループ同士で似たものをグループ化しましょう。

2. グループ同士の関係性や関連性を表現する

グループ同士の因果関係や対立関係などを表現していきます。矢印等を用いると分かりやすいです。

所感

実際にKA法とKJ法を用いた分析を試してみたところ、メリットやデメリットが見えてきたのでそれらについて書いていきます。

メリット

KJ法まで進めることによって、実際のユーザーの声〜施策内容までを関連付けて確認することができるところは良かったかなと思います。また、グループ同士の関係性も一目瞭然なので、どの施策から手を付けていくべきなのか?といった部分も考えやすかったなと思います。

デメリット

KA法とKJ法はとにかく根気のいる作業の繰り返しで多くの時間がかかります。慣れるくらいしか時短する方法がありません。特に今回は初めて試したということもあり作業時間が大きく膨れ上がってしまいました。さらにアンケートの項目や回答数が増えれば、それに伴ってかかる時間も増えていってしまいます。

最後に

最後まで当記事を読んで頂きありがとうございます。今回はKA法とKJ法について紹介しましたが、世の中には様々な分析手法がたくさんあります。紹介したものが一番良い手法という訳でもありませんので、分析するデータの種類や対象、量といった様々な観点から最適な分析手法を使っていけると良いのかなと思います。