プレイングマネージャーだった私が、2ヶ月の育休をとってみた

こんにちは!開発室の佐々木です。

私事になりますが、2026年の3月から5月にかけて、2ヶ月間の育休を取得させていただきました。

当時、私はエンジニアリングマネージャー(EM)として1つのプロダクトを担当し、4名のメンバーマネジメントを担っていました。プレイングマネージャーとして自分自身もタスクを抱える中、「自分が2ヶ月も抜けて開発スピードは落ちないか」「メンバーのケアはどうなるか」といった不安もありました。

しかし、チームの協力もあり、大きなトラブルなく無事に育休期間を終えて復帰することができました。

今回は、「育休に入るまでにどんなことをやってみたか」 、そして「実際に2ヶ月業務を離れてみてどうだったか」を振り返ってみたいと思います。EMやプレイングマネージャーとして育休取得を考えている方の参考になれば嬉しいです。

属人化への向き合い方

育休の取得が決まってから最初に取り組んだのは、「自分しか知らない情報」をできるだけ減らすことでした。

私は中途入社から約3年間、同じプロダクトを担当し続けていたこともあり、気づけば自分しか知らない運用や意思決定の経緯がそこかしこに積み上がっている状態でした。

まずは「自分がいないとチームが困りそうなこと」を思いつく限りNotionへ書き出すことから始めました。

  • 担当プロダクトの仕様の背景( 「なぜこの設計になっているか」という文脈)
  • 現在進行しているタスクのステータスや懸念点
  • 定期的に発生する運用フロー(月次・週次で対応が必要なもの)
  • 自分がよく連絡を取る社外関係者の情報

ただ、3年分の情報をすべて網羅するのは現実的ではありません。そこで「全部を残そうとしない」という割り切りも大切にしました。優先したのは、影響度が大きい事象に絞って重点的にドキュメントを用意し、プロダクトが大怪我しない状態を作ることです。完璧な資料より、致命傷を防ぐ資料を目指した、という感覚です。

実際にNotionへ整備したドキュメント(一部)

権限委譲: 「コンテキスト」ごと渡す

ドキュメントの準備と並行して、業務の移譲も進めていきました。役割は以下のように分けました。

  • メンバーマネジメント: 他のEMへ
  • プロダクト開発の推進: 社内のPdMへ

引き継ぎで意識したのは、「プロダクトの現状」だけでなく「プロダクトの文脈」まで渡すことです。タスクの状況だけでなく、事業部メンバーの紹介と関係性、プロダクトの歴史と事業状況の推移、直近の失注・解約要因なども事業部へのヒアリングを通じてドキュメントにまとめました。引き継いだEMやPdMがスムーズにプロダクト開発へ入れるよう、いわば「コンテキストの引き継ぎ」を意識した形です。

移譲の進め方としては、ある日突然すべてをスパッと渡すのではなく、グラデーションをつけて徐々に主導権を渡していくことを心がけました。最初はMTGに同席してもらいながら意思決定のプロセスや背景を共有し、少しずつ手を離していくイメージです。

育休前1ヶ月はリハーサル期間に

業務の移譲がひと通り進んだ段階で、育休前の最後の1ヶ月は完全にプロダクト開発から手を引き、リハーサル期間として運用しました

 「自分抜きで本当に自走できるか」を実地でテストし、不足している情報や枠組みがあれば追加で整備する、という仕上げの時間です。このリハーサル期間があったことで、育休初日から「あとは任せた」と安心して離れることができました。

育児にフルコミットした2ヶ月

3月からの2ヶ月間は、業務の連絡は完全にチームにお任せして、育児にフルコミットさせてもらいました。

初めての育児は想像以上に激動の日々で、毎日が目まぐるしく過ぎていきました。もし中途半端に仕事のことが気になっていたら、きっとパンクしていたと思います。「業務を離れることへの罪悪感」は正直ゼロではなかったのですが、事前準備をやりきったことで「あとはチームを信頼するだけ」と割り切ることができました。

完全にシャットアウトして家庭に向き合えたことで、家族一同、心身ともに健康な状態でこの大変な時期を乗り越えることができました

自分を信頼して「こっちは任せて育児に集中してください!」と送り出してくれたチームのメンバーには感謝しかありません。

復帰して気づいたこと

5月に無事復職したのですが、戻ってきてチームの様子を見たときに面白い気づきがありました。

以前の私は、プレイングマネージャーとして自分でタスクを背負いすぎてしまっている部分がありました。しかし、今回の育休という「半ば強制的に不在になるイベント」があったことで、結果的にタスクをチームに適切に分配し、プレイングマネージャーから脱却する良い機会になっていたのです。

 「自分がいないと回らない」という状態は、実はチームにとっての課題でもあります。育休準備で取り組んだドキュメント化と権限委譲は、「自分がいなくても回る組織」を作る良いきっかけにもなりました。自分が抜けたことで、むしろチームの自走力が上がったのは嬉しい副産物でした。

さいごに

今回の経験を通じて感じた、育休準備のポイントを整理すると以下の3つに尽きます。

  1. まず書き出す: 完璧な資料より、脳内情報をとにかくドキュメント化することが先。全部は無理でも、影響度の大きい事象から押さえる
  2. コンテキストごと渡す: 業務の現状だけでなく、判断基準や背景・関係性まで含めてグラデーションをつけて移譲する
  3. リハーサル期間を設ける: 最後の1ヶ月は手を引いて、本当に自走できるかをテストする

ウィルゲートでは法令通り、1年間の育休取得が可能です。また、2回に分けて分割取得することもできるようになっています。

キャリアやチームへの影響を考えて取得を迷う方もいるかもしれませんが、不在期間を見越した事前の準備は、結果として「チームを強くする良い機会」にも繋がります。今後もし機会がある方は、ぜひ積極的に育休制度を活用してみてください!