TACT SEOのプロジェクト成功に向けて変えた3つのこと

この記事は「ウィルゲート Advent Calendar 2023」の 21 日目の記事です。 adventar.org

こんにちは、ウィルゲート開発室の山口です。

私は自社のSaaSプロダクトであるTACT SEO*1のプロジェクトマネージャーをしており、主に要件企画やプロジェクトの全体管理を行っております。今回はTACT SEOの開発プロジェクトを管理及び推進してきた中で変えてきたポイントを3つご紹介したいと思います。

要件企画の改善

以前は、事業部のTACT SEO担当者とプロジェクトマネージャーという限られたメンバーで要件企画を進めていましたが、今回は経営企画、セールス、サポート、プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、エンジニアと様々なメンバーが集結し、目的に沿った企画を進めるために、デザインスプリントの概念を導入しました。
ただし、自部門の業務もあり、1日に多くの時間は取れない為、1回のミーディングを30分から60分とし、短いミーティングを通してMVPを意識して集中的に進めるようにしました。限られた時間の中での集中作業により、効率的に要件企画及び課題解決を進めることができたのではないかと思います。ただ、一方で発散が不十分になることもあり、一部のフェーズでは着地させられそうなタイミングで検討に戻ることもありましたので、こちらは今後の課題として対策を練る必要があると感じています。

デザインスプリント(発散)

開発プロセスの変更

従来はウォーターフォールモデルが主流でしたが、今回はアジャイルなアプローチに転換し、プロトタイプ開発を行いました。以前は要件企画で決まったことをほぼそのまま開発していたのですが、プロトタイプ検証を適切なタイミングで行うことで、手戻りなくMVP開発*2を進めることができたかと思います。またエンジニアが実装時に、MVP開発にはならないであろう要件に気づくこともあり、その場合は迅速にユーザーに確認し、場合によっては要件の再考及び修正を柔軟に対応できるようにしました。
その他にも、チームメンバーの役割を明確化するために「RACI*3」を導入し、チーム全体が迷わず進められるようにすることや、「大切なものランキング*4」や「ドラッガー風エクササイズ(A面,B面)*5」などを通じてプロジェクトを進める上でのチームとしての共通理解を深めました。

ドラッガー風エクササイズA面

ユーザー検証の強化

先に話した通り、要件企画で決まったことを検証せずに進めることはせず、今回はユーザー検証をフローに組み込みました。実際にユーザーがどのように使おうとするか、どこがわかりづらく手が止まりやすいか、間違った認識をさせていないかなど、実際の利用状況を観察すると共に、ユーザーからフィードバックを得ることにより、改善しながら開発を進めることができました。また、ユーザー検証では、ペルソナに近い人を選出するだけでなく、セールスやコンサルからも選出しその視点を取り入れるようにし、より良いUIUXを追求しました。

ユーザー検証

おわりに

前期は様々な新しい取り組みを行い、良い方向に進展したと感じています。以前と比べてリリース後に「使い方がよくわからない」「運用に組み込むのが難しい」ということがまず起きなくなったかと思います。
ただ、今回は良い方向に進みましたが、手法を変えることで悪い方向に進む可能性もありますので、とにかく早く細かいPDCAサイクルを回し、改善を進めていくことが必要だと感じています。
今期も難しいプロジェクトに挑戦することになりますが、前期の経験を踏まえ、チーム全体で協力し、細かくPDCAを回しプロジェクトを成功させられるよう頑張ります。

「ウィルゲート Advent Calendar 2023(https://adventar.org/calendars/8986)」、翌日はことみんさんによる「チームで技術的負債に向き合って、毎週改善に取り組んでいます!」です。 お楽しみに!

*1:https://tact-seo.com/

*2:「Minimum Viable Product」の略で、ユーザーが実際に使うことができる必要最小限の機能を持ったプロダクトを開発すること(関連リンク

*3:“Responsible(実行責任)”、“Accountable(説明責任)”、“Consult(相談対応)”、“Inform(情報提供)”の頭文字を並べたものであり、プロジェクトのチームメンバーの役割と責任を明らかにする(関連リンク

*4:プロダクトチームとして大切にしたい事項を1~10位まで優先度づけしたもので、チームとしての目線を合わせたり、プロダクトの意思決定を助けたりする(関連リンク

*5:チームメンバー同士で4つの質問にそれぞれ答え、お互いの考え、価値観、期待値をすり合わせる。(関連リンク