こんにちは、ウィルゲート開発室CREチームの山口です。
ウィルゲートでは2021年よりCRE(Customer Reliability Engineering)チームを発足しました。今回はその始まりから現在の活動、また今後の展望について紹介させてください。
CREチームのはじまり
CREチームは「顧客信頼性を向上させることを」目的にリーダー1名、メンバー3名の体制で2021年4月に発足しました。メンバー全員が他チームと兼任を行っており、それぞれ約3割程度の稼働で活動を行なっています。
背景
ウィルゲートでは基本的にエンジニアがプロダクトごとに配属されているため、問い合わせに対応したり、障害発生時の調査を行える人員が限定されるという課題がありました。その結果として突発的な問い合わせ対応や調査に弱く、迅速な対応が行えないリスクがありました。
CREとしては各プロダクトの問い合わせに対して対応できるメンバーを増やすとともに、問い合わせ自体のフローや対応内容を改善することで、総じてサービスへの顧客信頼性を向上させることを狙いとしています。
プロダクト対応メンバーの冗長化
まずは問い合わせに対応できるメンバーを増やすため、CREメンバーを中心に各プロダクトにおける保守や問い合わせ対応の巻き取りを行いました。
各プロダクトのメンバーと連携し、そもそもどういった保守が発生しているのかという把握から事業部の方との連携まで手を伸ばしました。
問い合わせフローおよび対応内容の改善
また問い合わせ対応自体の品質を向上させるために、顧客のリアルな声を集める仕組みづくりと集まった声の分析を行いました。
例えば TACT ではそもそも顧客からのフィードバックを得づらいという課題があったため、「評価のお願い」というボタンを設置し、顧客が気づいた時にすぐ問い合わせができるように改修を行っています。
また集まった声についてはKA法・KJ法を用いて分析を行いました。 これについては以前にテックブログで取り上げていますので、合わせてご覧いただけると幸いです。
正直CREとしての稼働は多くはありませんでしたが、それぞれにおいて少しずつ推進した結果、1年を終わる頃には対象のプロダクトにおいて分析結果からの対策案を立案でき、問い合わせにおいても一定CREで受け持つ状態までになりました。
推進の中で抱えた課題
上記2つの目的を掲げて推進した結果ある程度の成果は出せたものの、当初想定していたほどのスピード感を持って推進することはできませんでした。
もちろん単純な稼働量の問題もありますが、それ以上に各プロダクトへの理解が一筋縄ではいかず、どうしても調査や対応に時間がかかることが多くあったためです。結果として顧客信頼性の改善について、改善結果が具体的に目に見えるところまで手を伸ばしきれなかったというのが実態です。
また当初は全てのプロダクトに対して対応の冗長化と問い合わせの品質向上を想定していたのですが、プロダクトによっては取り巻く状況の中で方針が変わり、他の開発を優先するなどの変化もありました。
方針転換とこれから
そこで2022年から現在にかけては、まずはプロダクト対応の冗長化に焦点を当てて活動を行なっています。特に小規模な運用改善が開発のほとんどを占める運用フェーズのプロダクトについてはパートナー企業との連携も行い、なるべくCREメンバーとして伸ばすべきプロダクトの信頼性改善に着手できるような環境づくりを目指している段階です。
おわりに
今はまだ志半ばですが、信頼性という側面からプロダクトの価値を押し上げることは非常に有意義だと考えています。今後もCREとして、また開発室全体としてプロダクトに価値貢献できるべく活動していく所存です。