こんにちは、開発室の林です。 今回は「カイゼン・ジャーニー ~たった1人からはじめて、「越境」するチームを作るまで~」という書籍を読んで実践した、チームビルディングについて話します。
本記事のスコープ
本記事の想定読者は以下の通りです。
- 「カイゼン・ジャーニー」を実際に行っているチームを知りたい人
- リーダーに成りたてで、チームビルディングを何から始めようか迷っている人
- 他社のリーダーが行っているチームビルディングを知りたい人
本記事では私がチームビルディングで行った施策の感想がメインとなります。チームビルディングで実施した施策の詳細等は解説しませんので、その点ご了承ください。
最初に
私は2022年3月からリーダーを務めることになりました。当初は私を含めてもメンバーは3名と少なく、新規メンバーもいないチームでした。それもあり、プロジェクトの進行を重視し、チームビルディングに注力しませんでした。
2022年10月にチームメンバーが変わり、中途採用メンバーや今まで他チームに配属していたメンバーが主体となるチームとなりました。また、それまでウォーターフォール形式で進めていた開発形式から、アジャイルやリーンと言われる開発形式へ変更することになりました。
そのことが分かった段階で、私の中で「チームビルディングを始めないと今後開発効率の低下、連携不足が起きそうだな」と漠然とした思いができました。 そんな中出会ったのが「カイゼン・ジャーニー ~たった1人からはじめて、「越境」するチームを作るまで~」です。 実際に読み、各施策を実践することで見えたメリットやデメリットがありましたので、今回ブログとして書き残すことにしました。
「カイゼン・ジャーニー」とは?
「カイゼン・ジャーニー ~たった1人から初めて、「越境」するチームを作るまで~」は2018年に出版された書籍です。簡単にこの書籍を説明しますと、プロジェクト進行で起きる課題をチームで乗り越えるための工夫が記された書籍です。
様々な工夫がある中で、今回私がチームとして導入したのは以下の3つです。
- 星取表(スキルマップ)
- ファイブフィンガー
- ドラッガー風エクササイズ
それでは導入したものについて話していきます。
星取表(スキルマップ)
星取表は、自分たちが扱うプロダクトで必要な技術・スキルを可視化するための施策です。 実際に私のチームで実施した星取表が下記キャプチャとなります。
このようにチームで扱うプロダクトが利用する技術に対して、各メンバーが自己評価で習熟度を表明します。 星取表を実施したことで、下記のことが可視化できたと思います。
- チーム内で属人化している技術がどこか
- コア度を設けたことで、チームアサイン後に最低限必要なスキルが分かる
- メンバーが得意/苦手とする技術の把握
実際に星取表を実施したことで、メンバーの得意・苦手な技術が可視化できました。それにより、早期に現行の開発フローの課題を発見し、見直すことができました。 開発フローを見直しにより、プロジェクトの中盤で起きたであろう課題(「実は学習コストが大きくかかっていた」や「割り当てたタスクで必要な技術力とメンバーの実際の技術力の乖離」等)を回避できました。
ファイブフィンガー
ファイブフィンガーとは、「最近進めたタスクの進捗に対して5段階で自己評価を行う」という施策です。
私のチームでは、下記優先度で各メンバーに「どうしてその評価としたのか」を確認してます。
- 評価が2以下のメンバー
- 前回から自己評価が下がったメンバー
- 前回から自己評価が上がったメンバー
- 評価に変化がないメンバー
メンバーに確認する際は、下記を意識して自己評価について深掘りを行ってます。
- 悪い評価(2以下)の場合は、阻害要因を特定し、排除するためにチームとして何かできることがないか
- 高い評価(4以上)の場合は、高評価になった要因に何があったのか、より開発効率を上げるためにチームで協力できることがあるか
私はチーム全員で協力し、プロジェクトを成功に導くことが大切と考えてます。ただし、自身の評価が低いと心の余裕が生まれず、思いもしないミスも起きやすくなります。そのため、まず評価が低いメンバーの不安・躓きポイントを把握・改善すること、その次にパフォーマンスが高い人をさらに後押しができる状態を作っていくべきと考えてます。そのため、上記の優先度・確認点で行ってます。
このファイブフィンガーは毎週一回実施してます。ファイブフィンガーを何回も行った結果、下記のことが見えました。
メリット
- 定期的にメンバーの状態をモニタリングできる
- 続けることでメンバー自身にPDCAを回す習慣となった
- チームメンバーとのコミュニケーション機会になった
デメリット
- ファシリテーターが臨機応変に質問しないと原因が分析できない
- 人によって前回の評価が低いことを気にして評価を上げてしまう
上記を踏まえ、よりよいチームとなるようにファイブフィンガーもブラッシュアップできればと考えてます。
ドラッガー風エクササイズ
ドラッガー風エクササイズは、各自の期待値や価値観の認識を合わせるための施策です。 チームメンバーは全員同じ人間ではないので、重要に思う価値観は当然違いますし、期待値以上に頑張ろうとし疲弊する人が出てくることがあります。 この各自が持つ認識のギャップを最小限にするための施策となります。
実際に私のチームで実施したものが下記となります。
ウィルゲートでは各自のキャリアや希望をすり合わせた結果、チームアサインを実施してるので、大きな期待値のギャップは起きてませんでした。 ただし、各自の価値観というのがチーム内で認識できることで、その後のすり合わせなどでメンバー間での衝突は起きづらくなったと思います。
まとめ
今回上げた工夫はやって終わりではなく、定期的に行うことでより開発生産性や心理的安全性に寄与するものと思ってます。 今後もチームでよいプロダクト開発ができるように把握および改善できるよう考えていきます。