イノベーティブになるために。ウィルゲートのクロスファンクション組織とは?

こんにちは。開発グループゼネラルマネージャー(GM)の鶴飼です。

今回は、前回お話しした開発グループプロジェクト(https://www.willgate.co.jp/blog/2828/)をさらに進化させた「クロスファンクション組織(※)」について書きたいと思います。 ※クロスファンクション組織とは、全社的な経営課題を解決するために、部署や役職にとらわれず、場合によっては社外からも必要な人材を集めて構成される組織のこと。

ウィルゲートではコンテンツマーケティング事業を中心に、クラウドソーシング事業、メディア事業を手掛けています。 これまでは事業ごとに配置された担当者がそれぞれ独自に開発を進めており、その開発内容や技術などのナレッジ共有を行う場がありませんでした。 そのため、他の事業にも導入した方がよい技術をひとつの事業にのみ展開していたり、すでに導入されている技術を、新たに開発したりということが起こっていました。 そこで、事業ごとの開発とは別に、「技術の蓄積」「蓄積した技術を各事業に伝播させる役割」を担う開発本部を設立し、クロスファンクション組織を作ることにしました。

現在、8つのセクションで構成される「開発本部」

開発本部は8つのセクションでスタートしました。そのうち、常設のセクションは下記の6つです。

事業連携・・・事業の中期戦略のカウンターパートになる プロジェクトマネジメント・・・短期的なプロジェクトを高いQCDで推進する グロースハック・・・事業を伸ばすためにデータ分析や改善提案をする フロントエンジニア・・・UI/UXをベースに最適な技術を考える 先端技術・・・会社の未来を見据えた技術に取り組む インフラ・・・インフラストラクチャで事業を支える

また、残りの2つのセクションはプロジェクト型で、必要に応じてセクションに追加され、目的を達成すれば解散します。

QCDプロジェクト・・・開発業務効率と品質を上げるためのフローや仕組みを作る アプリ開発プロジェクト・・・自社アプリ開発の調査・研究をする

セクションには各事業部の開発メンバーと、必要に応じて事業運営メンバーが参加しています。 そして、これらのセクションを統括するのが開発本部で、セクションごとに配置されたリーダーがメンバーと共に今期のゴールを決め、マイルストーンを策定して開発を進めています。

もちろん、開発本部のメンバーは技術調査や研究をしているだけではなく、実際の事業開発にも携わっているため、二束の草鞋で頑張っています。 そして、事業運営側のメンバーも技術に対する関心は高く、トレンド技術をどのように事業に組み込むかという議論が盛んに行われています。 このように、技術トレンドを調査・研究し、ナレッジを蓄積するセクションもあれば、自身・メンバーが持つ知識を統廃合し、事業転換するセクションもあり、進め方はそれぞれのセクションに任せていますが、共通となるのは「技術・事業の軸で情報が伝播される」という仕組みです。

しかし、クロスファンクション組織にはよいことばかりではなく、意思決定が縦横に分散するため、決定権を持つ者が増えてしまうというデメリットがあります。 ウィルゲートでは、7つの行動指針の一つに「最高責任者の立場で考え行動する」というものがあり、開発部でも一人ひとりが、「自分が事業責任者であればどのように考え、行動するか」を深く考える癖を身に着けているため、現場間の意思決定で対立が起きるなどの問題は今までほとんど起きたことがありません。 それでも、このデメリットを確実に解消するために、事業連携セクションに開発マネージャーを配置しています。 それにより、セクションメンバーが短中期的に広い視点をもって事業部長と話す事ができるため、事業側と開発側の対立構造がさらに生まれにくくなります。

また、今後予定している取り組みとしては、複数のセクションメンバーが協働して一つのアウトプットを作るようなことを行っていきたいと思っています。

事業のイノベーションへ、再始動!

開発グループプロジェクトの目標は「イノベーション組織になる」です。 今回、クロスファンクション組織を作ったことによって、開発メンバーが事業部メンバーと密に連携を取りながら、開発本部で最新の技術を研究し、事業の先を見据えた技術導入を検討することができるようになり、「事業を陰から支える」ではなく、「事業の未来を描く」という開発スタイルに変わってきました。

とはいえ、開発本部の体制はまだこれで完成というわけではなく、これからしっかりと仕組み作りをして役割を明確化していく必要があります。 セクション毎の専門性を重視しながら縦横斜めで連携を取り、アウトプットを増やしていくことで、事業に対してより高い付加価値を提供できるようになるし、事業と共にエンジニアの成長も推進できるようになります。 ウィルゲートでは、ただ何となく「事業に貢献したい」という意識だけで業務を行うのではなく、具体的に役割を明確化し、それぞれの専門能力によって事業に貢献しやすい仕組みづくりをするというところにこれからも力を入れていきます。