この記事は Willgate Advent Calendar 2019 の 13日目の記事です。 qiita.com
開発室 エディトル開発ユニット マネージャーの横道です。昨年から開発室のバックエンドとフロントエンドの育成推進を行って来ましたが、2019 年度から開発室全体の育成について任せられるようになりました。2019 年 10 月からは「組織デザインチーム」という組織を立ち上げ、育成した先の組織がどうあるべきかも考えつつ進めています。
今回はそういった動きをする中でどういう点を気をつけながらマネジメントしているか紹介します。
成長させるために理解する必要のあること
マネジメントスキルは新規スキル
マネジメントを行う人はプレイヤーとして活躍していた人が行うことがほとんどだと思います。今まで上手くやってこれたから、自分のように動けば上手くいくと高を括ってマネジメントをすると失敗します(メンバーを初めて抱えたときはそう考えていました) 。 その失敗から、新しい仕事に転職したくらい意識を持ってマネジメントスキルを一から身につける必要があると考えています。
人なのでプログラムとは違う
当たり前なことを書いていますが大事なことだと思っています。
指導方法・教育方法などを人単位で考えているとかなり大変なのでテンプレ化して同じように接しているほうが指導する側は楽です。けど一人ひとりソーシャルスタイルやマインドセットが違うので、その人に合わせたやり方が必要なはずです。
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プロダクトのフェーズによって求められる技術が違う
他社で技術導入してたから「すごい!うちでも使ってみよう!」となるのがエンジニアだと思います。しかし、他社で導入してメリット出ていたからといって効果が出るわけではありません。
他社では事業的に価値になることでも、自社の導入対象の規模や形態によって生まれる価値が変わってきます。新規で取り入れる時は基本的に通しますが、なぜ今その技術が必要なのかを説明して貰い、事業価値に繋げる思考を養わせています。
スタート地点も成長スピードは人それぞれ
新卒で入社してきた時点で一人ひとり能力は違います。20 年ほど別々の生き方をしてきたのだからスタート地点が違うのは当たり前ですよね。
マネジメントする立場からすれば早く成長してもらいたいですが、期待している成長スピードを押し付けて矯正するのは間違っていると私は考えています。期待値に沿っていれば問題ないですが、目標に対して遅れが慢性的に続いていくと自信がなくなってしまいます。私がマネジメントする場合は成長マイルストーンを立ててキャリアを考えたあと本人に提案して、参考にしてもらいつつ自分で成長目標を立ててもらいます。
自分が知っている情報を基準にしてはいけない
組織やプロジェクトでのレイヤーが上になるほど全体が見える様になってきます。その視点基準で物事を考えて伝えるようになると、メンバーと話した時に「考えればわかるのになんでだろう」と考えるようになってしまいます。知り得る情報に限りがあるため、できるだけ情報を開示して理解度合いを確認するように心がけています。
伝えることに関しては限界があるので、開発時は誰の何の課題を解決するかを考えるフェーズからメンバーと一緒に行うようにすることで、伝えなくても理解してメンバー主導でプロダクト開発できる仕組みを作っています。
成長させるために意識する必要があること
得意なこと・苦手なことを知る
日々の業務や 1 on 1 を通して一人ひとりの性格や向いていることを知るように努めています。その内容は本人に伝えて自覚があるのかも知るようにしています。
苦手なことを頑張って良くするより、得意なことを伸ばしたほうが成果を出すほうが圧倒的に多いです。業務上直さないとまずい場合は指導して直してもらいますが、結構ストレスがかかるのでやる場合はやった結果のメリットをしっかり認識してもらった上で指導するようにしています。
伝えるときは点ではなく線で説明する
「◯◯ ができるよう XX を覚えてくれ」と伝えると作業はできる様になると思います。その作業ができるようになった時に「次はどう成長したら良いんだろう」と立ち止まってしまい成長が遅くなってしまいます。どういう風になりたいか本人の成りたい像を描いた後に、目指す過程でできるようなるべきことを成長目標として立ててもらい一つ一つ達成してもらっています。
本人が理解し納得しているか
何かを伝える時や課題を渡す時に分かったふりや納得したふりをしていることを多々見ます。分かったふりを意識してやっているわけではなくても、その場では分かったつもりになっているということが大体です。伝えた後に次やるべきことを聞くと分かったふりの場合は的外れなことを言うのですぐわかります。納得したふりを見極めるのは難しいですが表情や声色から判断して、納得いっていなさそうだと感じた場合は納得いっていないか素直に聞くことにしています。
一緒に働く仲間に求める意識
ここまでは自分自身が気をつけていることや意識していることを紹介してきましたが、一緒に働く仲間に求めることも紹介しておきます。
自走して成長する意識
技術的・人間的に成長してもらうために教育方法を考えて進めています。教育カリキュラムで一定の技術レベルや社会人スキルを身につけさせることはできますが、一定のラインを超えた先は個人の自走力無しでは成長することは難しいです。成長していった先は教えてもらう立場から教える立場になるので、成長し続ける為には必須な意識だと私自身も感じています。
自ら変えていく意識
今の組織の仕組みや開発方針が一定決まっている中で仕事をしている中で、やりづらいところや改善点がないことは無いはずです。そのやりづらいことに対して文句を言うのではなく、その点を改善してやりやすい環境を作る行動をとるほうがその人自身はもちろん組織全体のためになります。
今居る環境を改善して自分の周りの環境をよく出来る能力を身につければ、どういう環境でもいい環境に改善していけるはずです。
最後に
成長する為にはメンバー自身の意識と行動が一番重要ですが、マネジメント次第で成長速度が変わるはずです。 今のやり方で改善点がないかをマネジメントする側も振り返りながら一緒に成長していかないといけないですね。
明日はryota_hnkさんで「OKE(Oracle Container Engine for Kubernetes) を Rancher で監視する」です。お楽しみに!