この記事は「ウィルゲート Advent Calendar 2024」の 25日目最後の記事です。 adventar.org
こんにちは、プロダクト事業部開発グループ VPoEのZOE ( @for__3 ) です。 実は2024年1月にウィルゲートの開発グループのVPoEに就任して約1年が経過しました。 今回はこのアドベントカレンダーの機会に私がVPoEになってからの開発組織の成長と、私自身が何を意識してどんなことをやってきたのか、それから今後の開発組織の展望についてまとめられたらと思います。
VPoE に就任した背景
もともとウィルゲートの開発組織は大きく分けて4つの組織から構成されていました。 開発組織全体の方針などについて議論・決定して行く「開発本部ユニット」、インフラやSREなどといったプロダクトを横断して基盤を支える「開発基盤ユニット」、コンテンツマーケティング事業のプロダクトの開発をメインで行う「コンテンツ開発ユニット」、新規のプロダクトの立ち上げを担当していた「新規プロダクト開発ユニット」の4つでした。
当時、私は「コンテンツ開発ユニット」と「開発基盤ユニット」のマネージャーを努めておりましたが、前任の向平から「開発組織の運営を任せても池添ならうまくやってくれるイメージがある。開発組織の運営をやってみないか?」と声がかかり開発組織全体の運営を任されることになりました。
2024年1月 VPoEに就任したころは先の4ユニットあるうちの2つのユニットのマネージャー業務をやりながら、他の二人のマネージャーと一緒に組織運営をしていました。規模としては開発組織全体で20人程度で、幸いにも前年の2023年にエンジニア採用がうまくいき半年で6人の採用に成功し、組織も拡大したタイミングでした。 なので、VPoEとしての最初のミッションとしては人も増えたこのエンジニア組織をしっかりと機能するようにすることでした。
VPoE になってからの組織の変化
この1年で組織にさまざまな変化がありました。この中には私の影響によるものもあればメンバーやチームでの自律的な成長や変化も多くあり、組織開発に軸足をおいてきた私としてはとても嬉しいことでした。
新しい技術や文化を積極的に取り入れる組織文化に
新規プロダクトでは比較的新しいものを取り入れやすく、今まででもせっかく新しいプロダクトだから新しい試みを取り入れるということは多かったですが、今は新規プロダクトのチームに限らずどのチーム、ユニットでも積極的によりよいチーム開発のために様々な取り組みが実践されています。具体的には「リファクタリングデーの実施」、「チームtimes」、「分散基盤」、「Prisma」、「OpenSearch」、「フィーチャーリリース」、「Four Keysの開発生産性指標」、「障害対応フロー刷新」、「ペアプロ」などなど、様々な取り組みが実施されていました。
他にも、今期は全プロダクト横断したPHPのバージョンアップを無事完遂したり、新規プロダクトの開発も無事リリースまでこぎつけることができたり、既存プロダクトでもより事業価値につながる開発を事業部一体となって進められるような意識へ変化が起きて来たりと、開発チーム内でもそれぞれそこそこ大きな変化がありました。
学んだことを積極的に発信していく組織へ
これまでのウィルゲートではPHPカンファレンスを中心に外部での登壇は継続して実施してきてました。しかし、これまではおかしょいを中心に私ZOEと、ことみんの3名の登壇が圧倒的に多くウィルゲートというとこの3人をイメージする人も多かったと思います。
先日の12/22の記事 【全国制覇】ウィルゲート開発室2024年カンファレンス登壇まとめ!! - WILLGATE TECH BLOG でも記載していましたが、この1年でのウィルゲートからの登壇は登壇はなんと10カンファレンス、20登壇、7名の登壇にもなりました!
日頃業務で学んだことをアウトプットすることの大事さが浸透し、社内外での登壇機会が増えたことで、より様々なことへチャレンジしてはその学びをまた発信するという良いサイクルが生まれています。
チームビルディングとチーム間連携
これらのことをうまくやるためには、チーム内での効率的な連携ももちろん必要で、それは1年前と比べてもより高いレベルで動けるようになっていると自組織のことながら思います。 それだけでなく、開発チーム内で良い取り組みが共有されることで開発組織全体で生産性の改善が行われており、組織の透明性にも一役買っています。
これはまさに昨年のアドベントカレンダーで向平が書いた「自律組織化の実現:ウィルゲート開発室の取り組みとは - WILLGATE TECH BLOG」の実現に一歩近づいてると言えると思います。 これらの活動のおかげか、全社での活躍した社員やチームを表彰する表彰式においてもこの1年で述べ18名8表彰されており、全社においても開発組織の活躍が注目されており、とても頼もしいです。
VPoEとしてやってきたこと
そんな中で、私がこの1年意識してやってきたことと、その結果がどうだったかを振り返りたいと思います。
マネージャーの育成
冒頭でも書いていた通り、まず1番大きな課題として取り組んでいたのはマネージャーの育成です。自分含め組織のマネジメントができるのが3人という中で組織の改善をしながら、開発チームのマネジメントと平行してやるのは難しかったためです。
どのように進めたかでいうと、マネージャーとして求めてる価値の定義のすり合わせ、そのためにマネージャーとしてできることの明確化、どのようなことについて報告してほしいか、どんなことがあったら自分がヘルプに入るかなどを1on1ですり合わせて行きました。
この際、予想外にうまく行った点としては、マネージメントとして重要な考え方や、私が実践していることを登壇等で社内外で資料として残して来たことです。これによってマネージャーが悩んだ際に、その資料を参考に自身で考え行動したり、1on1などでフィードバックする際に短縮して伝えられたりということができました。
各ユニットへの干渉を減らす
各ユニットに対して自身が細かく介入しているようでは、いつまで経ってもマネージャーとして自律することは難しいと考え、徐々に委譲できるように設計していきました。
この際に意識していた点としては、Management 3.0の7つのレベルのデリゲーション(権限委譲)を意識していました。各マネージャーやチーム、プロジェクトに対してどのレベルで権限委譲するかを決め、それに沿って行動するようにしていました。そして、安定してできるようになってきたことについては徐々に次のレベルで委譲するということをしていきました。
これにより、ユニット内の運営についてはマネージャーに対してほぼほぼ「5.助言」から「7.委任」のレベルで任せられるようになり、かなり私自身の負担が減り、より開発組織全体の運営に注力することができるようになりました。
経営層とのコミュニケーション
一方で、私自身の変化としては向平に変わり2024年からは、私が経営会議に参加し開発組織のレポートをするようになりました。今までも経営目線での開発方針や組織運営自体は行ってきていたつもりでしたが、実際に経営会議で会社の経営の話しを直で聞くことでより理解が深まりました。
私からは、開発組織の活動や開発予算の消化状況などのレポートを実施してきました。これらの活動のおかげもあり、開発組織の貢献度や重要性を伝える事ができ、(前提として開発一人ひとりが頑張った事実があったうえで、)エンジニアの受賞数の増加にもつながったのだと思います。
また、私が経営会議に出ることで今求められてることが何であるかを把握し、よりスムーズに現場に伝えたり、適した技術の獲得につなげたりということができるようになり、経営層からの開発や私への信頼獲得といったところもよりできたのではないかと思います。
うまくいかなかったことと今後の展望
VPoEとしてやっていく中で、うまく行ったこともあれば、うまくいかなかったこともありました。
1つ目は、事業部との連携です。ウィルゲートではいろんな事業があり事業毎にプロダクトとユニットが別れていますが、もっと事業部との連携をうまくできればということがありました。 具体的には機能開発した際の細かい使い勝手の部分の意見をうまく引き出せていなく、使いづらい機能になってしまったり、リリーススケジュールの温度感が正しく伝わっておらず、必要以上に急いで開発しメンバーを疲弊させてしまったりなどしてしまいました。ここはすでにいくつか手は打っていますが、より事業部との連携をスムーズにし、よりよいプロダクトを開発できるようにしていきたいです。
2つ目は、経営視点での社内発信です。経営会議等で経営情報を入手する機会が増えたものの、今の私の段階ではまだ自身で判断し使うレベルで終始しています。本来はより経営層での情報をうまく噛み砕き、開発組織に下ろすことでよりプロダクト開発に活かせるようにしていけると良いのですが、現状では私自身が機密情報などもある中で、なんの情報をどのように下ろすべきなのかといううまいラインを見つけられていないのが課題と感じています。
まとめ
いま、ウィルゲート開発組織は新規プロダクトのアポトルを中心にプロダクト開発が盛んになってきている最中です。
開発組織は今までの文化や組織風土の中でとても良い組織ができていると誇りを持っています。一方でプロダクトの価値をより高めるための開発をよりやっていくために、事業連携や経営方針を理解した効率良い開発をすることで、より飛躍していけると確信しています。 来年も引き続き頑張っていきますので応援よろしくお願いします!