こんにちは、開発室PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の大嶋です。 だいぶ久々の投稿になります。
今回は開発室で「すごい会議」のフレームワークを活用して組織改善に取り組んでいることについて、きっかけから現在までの経過をご紹介します。
背景
コロナ禍における緊急事態宣言も長くなり、ウィルゲートでは基本的にテレワークでの業務が中心となっております*1。 こうした働き方が長くなっていくにつれて、目の前の作業を進めていくことには徐々に慣れていく一方で、特定のメンバー以外との関わりあいが極端に減ってくるなど、開発組織としての相互連携や一体感などが損なわれていると感じていました。
今回、こういった「コミュニケーションにおける課題」にフォーカスして改善を図るべく、マネジメント層を中心として具体的な取り組みを始めることにしました。
「すごい会議」とは
「すごい会議」というのは会議の生産性を高めて効果的に進めることで問題解決を促すフレームワークであり、書籍を中心に知られています。
特徴として、以下のようなルールで会議を行います。
- 会議中の発言は「提案」「質問」「リクエスト」のいずれかに限り、「単なる意見」や「コメント」「同調」といった類の発言はしない
- ブレストなどで個人の意見を出すときには紙に書いてから発言し、良い意見には「よっ!」とその場で同意を示す
- 事実と解釈(主張)を切り分け、客観的なデータなど事実をもとに話すようにする
実はウィルゲートにおいて過去にこの「すごい会議」を行ったことがあり、開発組織でも外部講師を招聘して実践していました。 今回、組織課題解決に向けた検討の中で、かつて参加した経験のある私自身がファシリテーターとなって「すごい会議」の手法を採り入れてみることに決めました。
事前準備
リモート開催でMiroのボードと付箋の活用
本来「すごい会議」は広めの会議室にみんなで集まってお菓子を食べたりしながら、ホワイトボードや付箋、模造紙などを使ってPCには触らないで行うような言わばアナログなやり方ですが、今回はオンラインで行うことにしたためそれにあった環境が必要になりました。 そこで、オンラインホワイトボードツールのMiroを採用し、付箋に書いた内容をボードに貼っていくやり方を再現しました。 また、オンライン会議ではみんなが同時に「よっ!」と発言したり拍手するなどがやりにくいと感じたので、代わりにMiroのリアクション機能(絵文字などがリアルタイムに画面上に出せる)で反応してもらうようにしました。
フレームワークの説明とトライアル
「すごい会議」本番を行う前に、参加者には別に時間を取って前述した今回の会議実施の背景を伝えた上で、「すごい会議」のルールについて説明を行いました。 「すごい会議」もMiroも初めてというメンバーも多かったため、実際にMiroのツールを触って操作を覚えてもらいながら、「すごい会議に際して不安に感じていること」と「どのようにすればそれを解消できるか」というお題で簡単なトライアルとして付箋に書いて発表してもらいました。
会議当日の流れ
当日のアジェンダは以下のような約半日で設定しました。
問題のブレストと理想への変換
まず問題と感じていることを付箋に書いて発表したのち、それを「どのようにすれば ○○ できるだろうか?」と言い換えて付箋に書き出しました。
ゴールの決定
次にみんなの書いた理想状態を整理していき、共通のゴールを決定しました。今回は組織のコミュニケーションを課題としていたため、売上などの定量的な目標ではなく定性的な状態目標になりました。
施策アイデア出しと決定
最後にゴールに向かうために必要なアクションや活動のアイデアを付箋に書いて発表してもらい、アイデアをいくつかのグループに整理していきました。途中、ちょっと現実的ではないかもしれないような「くだらないアイデア(笑)」も出してもらい、柔軟に意見を集められるようにしました。 施策アイデアに対してMiroの投票機能を使ってみんなで投票をして、採用するアイデアと担当者を決定しました。
施策の進行
10テーマほど施策に取り組むことが決まったので、週次で30分の確認会を実施して進捗状況や課題を共有するようにしました。施策ごとの担当者がコミットメントするアクション(タスク)を決めてカンバンに付箋を貼って見えるようにした上で、確認会ではその結果を以下2つの形式で発表してもらいました。
- うまくいったこと
- 改善したいこと
その後、発表内容をもとに「提案」「質問」「リクエスト」のいずれかで議論をして軌道修正したり協力を仰ぎながら進めていきました。
こうして進行してきた結果、上期(9月末)時点ですでに以下のような点で具体的な成果が出てきており、手応えをもって継続して取り組んでいます。
- テレワーク下で途絶えがちだった開発組織内のLT会の再開
- 勤怠や業務の連絡・報告ルールの統一化
- 各チームなどで行ったMTG内容(議事録)を共有する動きの活発化
おわりに
今回はあくまで「すごい会議」のエッセンスを採り入れるといった位置づけとしており、「戦略的フォーカス」や「コミットメント・リスト」などフレームワークを完全に踏襲したものにはなっていません。 一方で「オンラインでの実施で本当に価値が出せるだろうか」といった、実施前に不安に感じていた箇所についてはツールの活用など工夫することで解消でき、参加メンバーに主体的に取り組んでもらえる形にはできたと感じています。
組織改善に限らずですが、マネジメントは一度やったら終わりというものではないし、止めてしまうとまた動かすときの労力が大きくなってしまうので、継続することが大事だと痛感した期間でした。
今後も設定したゴールに向かって活動を続けていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
*1:2021/10/1の宣言解除後は部門別に特定曜日に限定して出社